あの時こうしていたら、こんなことにはならなかったかもしれない、というような思いにとらわれることってあるよね。

選ばなかった方の人生はどうだったんだろう・・・とか。

IMG_1759


栞子の場合、結婚式の翌日式場から空港へ向かうリムジンバスの窓から両親がJRの駅に向かってる後ろ姿が見えて、それがとてもとても寂しそうだった。

その時、わたしはとんでもないことをしたのではないか という思いに駆られて、ここでバスを降りたいと思わず立ち上がりそうになったのだけど、バスを止めてくださいとは言えなかった。

今自分がバスを降りてしまったら、隣りに座っているこの男性はどれだけ恥ずかしい思いをするだろう、と思うとそんなことはできなかった。

でも、もうその時には元夫の微妙な冷たさを感じていて(早っ!)、何かちょっと違うかもという疑念はあったのよねぃ。
だから「降りたい!」と思ったんだろうね。
それか親離れできていなかったのか…。

その頃はまだ成田離婚という言葉はなかったけど(今となってはそれも死語だけど)、それより前の新婚旅行出発前離婚、いやまだ籍を入れてなかったから離婚じゃないか。

あの時バスを降りていたら…。
まぁ、そんなにいいことにはならなかった気もするけども。

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<一度は行ってみたいひまわり畑  写真は2枚とも娘より>

あとは子どものことかな。
特に次男については、あの時もっとしっかり彼の様子を見て、きちんと接していたらという思いはずっと消えない。


おっと、そんなことは今さら思っても仕方のないことだ。
そんな話ではなく本のはなしだ。


十字の記憶 (角川文庫)
堂場 瞬一
KADOKAWA
2018-10-24



地方紙の支局長として20年ぶりに地元に戻って来た福良孝嗣は、前市長の息子が銃殺された事件を着任早々、取材することになる。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組んでいた県警捜査一課の芹沢拓もまた同じ事件を追っていた。記者と刑事―交わってはならない関係となった2人。だが、事件の背後を洗ううち、2人は、もう1人の同級生の重い過去によって引き寄せられていく。(Amazon 「BOOK」データベースより)


堂場瞬一さん、名前はよく聞くので読んだことがあると思ってたら、お初のようでした。
ホントに?
堂場さんの作品を見ても、全然思い当たるのがないので、たぶん読んでないのだろう。
それとも完璧に忘れてしまっているのだろうか。アブナイ。


福良と芹沢は共通の苦い思いを抱えている。
ある日の深夜、2人は駅で同じ陸上部の女子小関早紀に出会った。
早紀はスーツケースを持っており、訳ありの様子だったのだが、2人の声には耳を貸さず改札を抜けていってしまった。
翌日から早紀は行方不明になる。
あの時、もっと突っ込んで話をしていたら…、2人はずっとその後悔の念を背負ってきたのだ。

福良と芹沢、2人がそれぞれの立場でできることをしようとする。
あの時救えなかった早紀の心を今度こそ救おうと奮闘する。
終わりに近づくほど緊張感が高まっておもしろかった。



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