出かける時は常に本を携帯してるんだけど、その日は文庫本のストックがなく、読んでた本は単行本でとても分厚いものだったので重いのは嫌だから持っていかなかったの。

でも電車に乗ってる時間は長いんだもの、何か読まなきゃいられないと思って本屋さんに立ち寄った。
 発車までにじっくり選ぶほどの時間はなくて、平積みの本を眺めてたら気になるタイトルが目についた。
 
井上荒野さん。確か何か読んだことはある。内容は覚えてないけど、おもしろかった記憶があるような気もする。
「これでいいや」(失礼)と思って買って乗り込んだの。

当たりだったわー。


主人公は定年退職した昌平72歳と69歳のその妻。
二人はツーリングを楽しみながら穏やかな暮らしをしていたが、夫の昌平が骨折してしまう。
 
妻のゆり子は夫の世話や家事に負担を感じて、自転車店で知り合った青年に家の手伝いをしてほしいと頼み、週に1回その青年一樹が家に訪れるようになる。


物語は3人の視点から描かれていて、とても興味深い。ぐいぐい引き込まれて読み進む。
井上さんの表現も「そう来るか」みたいな、とても印象的で新鮮だった。
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<従妹が育てたんだと言って持ってきてくれた芍薬。すっごく優しい色合いでステキ!>

 
不穏なこと、嫌な答えが返ってきそうなことに向き合うのは先延ばしにしたいという気持ち。
信じてるものを疑いたくない、失いたくないという気持ち。

それは、おそらく信じるに値しないものを信じてしまった自分を認めたくないというような、そんな気持ちもあるのかなと思う。


なんとなく「老いる」ということを考えさせられたりもしたけど、それこそ自分が無意識にそこに目を向けるのを避けてるのか、夫がいないからか、栞子はどっちかというと、一樹の方を母親目線で見てしまったわ。

彼の中にも優しい気持ちはあるはずなのに、それを素直に認められなくて、そこから目を背けようとしているような気がする。

昔のワル仲間の辰夫と同じようにワルぶってるけど、違和感を抱いている。その違和感をスルーしている、見ようとしていない。
 
 
でも、たぶん大切なものを見つけたはずなので、それを守ってちゃんと生きていってほしいなと思う。
希望の持てる終わり方だったよ。


まさに行きずりにいい作品に出会えたわ。




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