米澤穂信さんの古典部シリーズ。
2作目の「愚者のエンドロール」は随分時間がかかってしまったけど(→256ページの文庫本)、今回3作目にしてやっと入り込んで読み進むことができた。
1作目も2作目もそんなに響かなかったのに、なぜ読み続けるのか。
なぜか「このシリーズを全部読む」と決めてしまったから・・・
さて、いよいよ神山高校の文化祭が始まったのだが、古典部は販売する文集を手違いから200部も作ってしまった。
一方、開催中の文化祭の中で、アカペラ部からアクエリアスが、囲碁部から石が、占い部からは運命の輪が次々と盗まれるという事件が発生していた。
まるでクリスティのABC殺人事件を彷彿とさせるような事件ではないか。
古典部の文集は捌けるのか、盗みの犯人は誰なのか…。
という部分以外にも、高校生たちの複雑な心情、自分より優れている人に対する羨望とか嫉妬とか…。
自分は彼(彼女)にはなれないと悟った時の絶望や諦観、そこから生まれる相手への期待…、そういうものがあちこちに描かれていて、とても興味深かった。
この事件を起こした犯人の意図が、全くその相手に伝わってなかったという結末もなんだか感慨深い。
人生って、往々にしてそういうものだよねぃ。
そして、また本作でも奉太郎のねーちゃんが絡んでくる。ねーちゃん最強だね。
にしてもクドリャフカってなに?
米澤さんの作品を読んだ後は、わからないことが多くて常にグーグル先生に頼ってる。
この古典部シリーズについて、考察や解説をしておられる方がたくさんいて、それもまたおもしろい。
この調子でだんだんおもしろくなっていくのかしら。