先日、紀伊國屋をじっくり見て回ったときに見つけた文庫本。
伊岡瞬さんの作品だ。伊岡さんは何だったか読んだことがあるよな。
たしか、わりと面白かったような覚えがあると思って裏を返してみると、
「不祥事の責任を取らされ、単身赴任中の主人公藤井賢一の元に、警察から妻を傷害致死容疑で逮捕したという知らせが入る。殺した相手は、本社の常務だった…。」
というようなことが書いてあり、お、これは栞子の好物かもーと思ってレジに直行しようとした瞬間、「待てよ、これから図書館に行くし、新刊じゃないからあるかも」と思い直して手に取った本を元に戻し、図書館で単行本を借りたというわけだ。
完全年金生活者は、おちおち文庫本も買えないわ
ページを開くと法廷の場面から始まっていて、ますます期待が膨らむ。
期待は膨らんだけど法廷ものではなく、思ってたのとは違った…。
それでも先が気になってどんどん読み進んだのよ。
それでも先が気になってどんどん読み進んだのよ。
が、しかし、これまた登場人物の誰一人として魅力を感じる人がいなかった。
強いて言うなら刑事の真壁ぐらいか。
彼が賢一に言い放った
「失礼ですが、藤井さんはさきほどから、結果のことばかり気にされている。(中略)罪状だとか、処罰だとか言うのは、そのあとの話では」(p.275)
というのが唯一「そうだ、そうだ」と共感した言葉だ。
真犯人は誰なのか。
結末は二転三転して、「やっぱりそういうことか」なところに行き着くんだけど。
最近、ガツンとくる作品に出会ってないよなー。
昨日、図書館から予約本が届いたという知らせがあったので、明日行ってこよう。
今度はどんなんかなー。
直木賞受賞作の「少年と犬」と本屋大賞ノミネート作品の「滅びの前のシャングリラ」。